最新刊『GHQと戦った女 沢田美喜』(2015年7月、新潮社刊)

米軍の日本占領時代(1945年−1952年)についての3冊目。ほぼ10年の歳月をかけて著者が調べてきた沢田美喜とGHQに関する本がまとまった。戦後60年の夏、大磯駅に降り立った著者は大きな石門に「エリザベス・サンダース・ホーム」という標識を見て目を見張った。沢田美喜のつくった混血孤児のためのホームが大磯の駅前近くにあるとは知らなかったからである。

長い間、ノンフィクションを書いていた著者は、スケールが大きくてダイナミックな沢田美喜を知れば知るほど、初めて女性を描きたくなった。三菱財閥の家に生まれたものの、強い者に反発し、弱い者の側に立つ美喜の反骨精神と自分が正しいと思ったことに邁進していく強靭さに圧倒されたからである。

進駐軍に誰一人立ち向かえなかったアメリカ一辺倒のあの時代、アメリカ兵と日本人女性の間に生まれた混血孤児の施設をつくることはGHQに戦いを挑むことだった。それはいったいどんな戦いになったのだろうか。

著者は岩崎家の生家がある土佐にはじまり、大磯の澤田美喜記念館、ホーム内の「ママちゃまの部屋」、ニューヨークの聖トーマス教会、マヨルカ島などの取材にかけまわる。GHQに接収された麹町の澤田邸「サワダ・ハウス」や上野・不忍池にちかい岩崎茅町本邸「本郷ハウス」(現在は東京都台東区池之端の「旧岩崎邸庭園」)に関する文書を米国立公文書館で調べ、そこで働いた関係者を探しあて、あの闇のような占領期に新たな光を当てる。

『日本記者クラブでの講演』2015年7月30日『戦後70年 語る・問う』は以下 YouTubeで見ることができます。




『占領史追跡 - ニューズウイーク東京支局長パケナム記者の諜報日記』(2013年8月文庫、単行本『昭和天皇とワシントンを結んだ男』2011年5月刊行)
昨年、宮内庁から公開された12000ページに及ぶ『昭和天皇実録』に本書が資料として記録された。パケナム邸に集まった昭和25年6月22日の夕食会のことを聞いた昭和天皇が松平康昌にダレス宛の口頭の伝言を伝えたというパケナム日記の記載が宮内庁に認められたのである。


『731 - 石井四郎と細菌戦部隊の闇をあばく』(2008年2月文庫、単行本『731』2005年8月刊行)
「日本医学会総会 2015関西」に対するアピール企画である「歴史を踏まえた日本の医の倫理の課題」での講演を依頼された。2015年4月12日、会場は京都の知恩院和巡回館。これは「医の倫理ー過去・現在・未来ー企画実行委員会」が開催する大会で、著者は『731−石井四郎と細菌戦部隊の闇をあばく』を中心に講演をした後、討論会に参加した。
http://hodanren.doc-net.or.jp/inorinri2015/main.html

 
青木冨貴子(あおきふきこ):ニューヨークを拠点に活動するジャーナリスト・作家。これまでに日本の主要新聞、雑誌で数多くの記事、コラムを発表、ノンフィクション作品やルポルタージュ、エッセイ集は14冊以上を数える。

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